@article{ART000962218},
author={金 賢 旭},
title={Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2005},
number={24},
pages={283-303}
TY - JOUR
AU - 金 賢 旭
TI - Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2005
VL - null
IS - 24
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 283
EP - 303
SN - 1226-3605
AB - 中世の翁信仰を考えるためには、金春禪竹の翁論明宿集という書物が重要である。禪竹の翁論では、翁が樣々な神々と結びつきながら、その實体を明らかにすることがない。そのなかでも、禪竹は、眞先に住吉明神を取り上げ、翁が住吉明神と一体であることを强く語り、住吉明神を重んじる。住吉明神が明宿集のなかでどういうふうに書かれているのかを考えることは、禪竹の翁論を考える切り口となるだろう。住吉明神は、神功皇后による新羅外征の神話では、戰いに從う神、航海をつかさどる神として登場する。一方、住吉明神は、人丸や玉津島の神とならんで、和歌の三神とされるなど、和歌の守護神として崇められた。住吉大社神代記には、住吉明神があらわれ、輕皇子と歌を贈答したと書かれているが、それ以來、和歌文學史においては住吉明神の顯現を記す伝承が多く書かれてきた。こうした流れをうけて、禪竹の翁論では、住吉明神の多樣なありさまが翁と有機的な關係で語られるのである。古代から中世を通じて、住吉明神ほど多樣なあらわれ方をする翁の神は、めったにみられない。禪竹は、明宿集のなかで、こうした住吉明神の多樣性を總合的に考えたのであるが、そのなかでも、住吉明神を塩土老翁と直接結びつける論理が出されている。住吉明神と塩土老翁がともに海をつかさどる神として共通し、さらに、同一神とされる說がしばしば述べられてきたが、その早い例が、金春禪竹の書いた明宿集である。
禪竹が住吉明神と結びつけて塩土老翁をもってくる理由、またその結びつきの背景を明らかにすることにおいては、塩土老翁が芸能的翁と近い存在として考えられたかもしれないということが大きいヒントとなる。禪竹が、山幸彦・海幸彦說話をとりあげ、翁の根元を說こうとした理由は、山幸彦・海幸彦神話が、服屬芸能である隼人舞の起源說話であったからではないだろうか。征服された部族の芸能が儀式化される背景には、各部族が持っていた芸能の呪力を借りて中央政權の安泰を守ろうとする意図があったのだといえる。こうした滑稽な物眞似演技の背景には、權力者側から笑われることが前提となっており、服屬する方が演じる滑稽な物眞似とそれに伴う笑いは、猿樂が滑稽な物眞似をするということと深く結びついていたと思われる。また、天皇の對極にいる服屬者がその芸能により王權を壽ぐことは、猿樂集団のあり方と重なるのではないだろうか。猿樂者が笑わせるということで祝福するという芸能のあり方の原型が、隼人舞のような服屬芸能にあったのである。禪竹は、隼人舞のような服屬芸能を担う種族が、中央の大和民族から異界のものとみられていたことを、自らの猿樂集団に重ねて考えていたにちがいない。こうした思考が、明宿集に、塩土の翁譚が書かれるような要因としてはたらいていたと考えられる。
KW -
DO -
UR -
ER -
金 賢 旭. (2005). Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku. Journal of Japanese Culture, 24, 283-303.
金 賢 旭. 2005, "Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku", Journal of Japanese Culture, no.24, pp.283-303.
金 賢 旭 "Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku" Journal of Japanese Culture 24 pp.283-303 (2005) : 283.
金 賢 旭. Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku. 2005; 24 : 283-303.
金 賢 旭. "Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku" Journal of Japanese Culture no.24(2005) : 283-303.
金 賢 旭. Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku. Journal of Japanese Culture, 24, 283-303.
金 賢 旭. Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku. Journal of Japanese Culture. 2005; 24 283-303.
金 賢 旭. Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku. 2005; 24 : 283-303.
金 賢 旭. "Okina and Sumiyosi Myojin of the Konparu Zentsiku" Journal of Japanese Culture no.24(2005) : 283-303.