@article{ART001909234},
author={Lee, Jin-Ho},
title={An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2014},
number={62},
pages={107-129},
doi={10.21481/jbunka..62.201408.107}
TY - JOUR
AU - Lee, Jin-Ho
TI - An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2014
VL - null
IS - 62
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 107
EP - 129
SN - 1226-3605
AB - そもそも、人文学は、生来、科学を志向するだけで、科学たり得ないものといってよかろう。特に、本稿で取り上げた小説関連分野は言うまでもない。横光利一の純粋小説論は、従来、フランス作家アンドレ․ジードの『贋金つくり』と『贋金つくりの日記』の小説論から影響を受けたものとされた。が、それは頗る間接的な影響ともいうべきで、その内訳にはジードの純粋小説という用語使いが大半を示すであろう。 純粋小説論にみる小説方法論の核心は、偶然性問題と、いわゆる「自分を見る自分」に代表される四人称設定である。しかし、偶然性は当時日本の文壇で問われていた偶然文学論争の延長線上の言及で、また「自分を見る自分」という思惟体系も、その前後状況から見て中世の芸人世阿弥の言う「離見の見」からの影響が多大というべきで、少なくてもその生成背景の一つとして構想のポイントが提供された可能性は高いと言わざるを得ない。 もう一つ、横光の小説方法論と自作の小説との符合度において、『家族会議』は、先学のご指摘以上に純粋小説論の典型を示し、その実践作としての位相をもつに十分と言える。それは、論者の理解で、作中にみる純粋小説としての偶然性が十一カ所にのぼり、四人称設定の場合も、横光の言う「自身の操作に適合した四人称」としてあげられ、その方法論として二つの核心要素が満たされていることによる。また『家族会議』からみた四人称設定の狙いは、けっきょく小説の中の人物に対する多角的な視点反映による自意識描写にあるが、その内面には世人の普遍妥当な「理智の批判」というものがその根拠として位し、それが横光の言う「感傷性」の基準になっているといえよう。 ともあれ、横光は自作の『家族会議』を茶番小説とやや卑下して言ったが、その言及の裏面には、卑下自慢として、この小説のもつ純粋小説としての自足による謙虚の心が窺えざるを得ない。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..62.201408.107
ER -
Lee, Jin-Ho. (2014). An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu. Journal of Japanese Culture, 62, 107-129.
Lee, Jin-Ho. 2014, "An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu", Journal of Japanese Culture, no.62, pp.107-129. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho "An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu" Journal of Japanese Culture 62 pp.107-129 (2014) : 107.
Lee, Jin-Ho. An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu. 2014; 62 : 107-129. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho. "An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu" Journal of Japanese Culture no.62(2014) : 107-129.doi: 10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho. An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu. Journal of Japanese Culture, 62, 107-129. doi: 10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho. An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu. Journal of Japanese Culture. 2014; 62 107-129. doi: 10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho. An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu. 2014; 62 : 107-129. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.107
Lee, Jin-Ho. "An essay of pure nevel theory of Ryichi Yokomitsu" Journal of Japanese Culture no.62(2014) : 107-129.doi: 10.21481/jbunka..62.201408.107