@article{ART001965340},
author={松橋幸代},
title={A study of 『Obakasan』},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2015},
number={64},
pages={275-291},
doi={10.21481/jbunka..64.201502.275}
TY - JOUR
AU - 松橋幸代
TI - A study of 『Obakasan』
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2015
VL - null
IS - 64
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 275
EP - 291
SN - 1226-3605
AB - 遠藤周作の『おバカさん』は1959年3月26日から8月15日まで、朝日新聞夕刊に掲載され た遠藤最初のユーモア小説である。これまでの遠藤の文学研究においては純文学を中心に遠 藤が追求した日本人に合うキリスト像、母なる神、同伴者イエスを論じるものが主流であった。 『おバカさん』の研究も遠藤が理想とするキリスト像としてのガストンの研究や殺し屋遠藤の心 理的変化についての論文がある。 本論では、遠藤がユーモアの素材として取り入れている悪臭や糞尿に関する生理的現象に 関するものが多いという点に注目し、それがどのように作品に描かれているのか、そしてそれがど んな意味をあらわしているのかを探ってみた。 まず、便所の臭いや小便の臭いがする場所は、登場人物の人物像をより浮き上がらせるた めの装置として働いている。そして、悪臭や便所の臭いは、作品にユーモア性を付加するのみ ならず、人間が持っている心の闇を暗示する役目を果たしている。人間が生理的排泄を避ける ことができないように「人間の暗い部分、悲しい部分、よごれた部分」をより効果的にあらわす 描写として使われている。それ以外にも、豪華客船の四等船室、新宿、山谷それぞれの場所 の特徴を示すのにも臭いの描写が巧みに盛り込まれている。便所の臭いという共通点はあるもの の、やはりその臭いが漂う場所とそこに登場する人物の心理描写と密接に関連していると見るこ とができる。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..64.201502.275
ER -
松橋幸代. (2015). A study of 『Obakasan』. Journal of Japanese Culture, 64, 275-291.
松橋幸代. 2015, "A study of 『Obakasan』", Journal of Japanese Culture, no.64, pp.275-291. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代 "A study of 『Obakasan』" Journal of Japanese Culture 64 pp.275-291 (2015) : 275.
松橋幸代. A study of 『Obakasan』. 2015; 64 : 275-291. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代. "A study of 『Obakasan』" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 275-291.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代. A study of 『Obakasan』. Journal of Japanese Culture, 64, 275-291. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代. A study of 『Obakasan』. Journal of Japanese Culture. 2015; 64 275-291. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代. A study of 『Obakasan』. 2015; 64 : 275-291. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.275
松橋幸代. "A study of 『Obakasan』" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 275-291.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.275