@article{ART001965431},
author={大谷鉄平},
title={The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2015},
number={64},
pages={107-127},
doi={10.21481/jbunka..64.201502.107}
TY - JOUR
AU - 大谷鉄平
TI - The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2015
VL - null
IS - 64
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 107
EP - 127
SN - 1226-3605
AB - 日本における現今のナラティヴ研究は、質的研究のアプローチに集中する傾向にある。その背景に関し、研究史から紐解くと、アメリカから導入された言語と社会との関係に着目する視座を踏まえ、社会構成主義を理念的バックボーンとしたナラティヴ・アプローチの手法が広く浸透している実態が浮き彫りとなった。そこで、筆者は国立情報学研究所(NII)が運営する論文データベースの「CiNii」を参照し、そこに掲載された論文のうち、タイトルに「ナラティヴ」・「ナラティブ」を含むものを抽出したうえで、それらが属する学問分野の偏向、およびともに用いられる語句の偏向を調査した。具体的には、「ナラティヴ」・「ナラティヴ」との語を含む全CiNii掲載論文タイトル(全1342例)をtext化したうえで、目視による再観察から学問分野ごとに集計し、そのうえでテキストマイニング用フリーソフト「KH Coder」を用い、「頻出語」、「共起ネットワーク」、「関連語」の視座から、現今の日本におけるナラティヴ研究の実態把握を試みた。その結果、量的研究に属する言語学的なナラティヴ研究の成果と比して、質的研究に属する個別のナラティヴに着目した事例報告、あるいは臨床的アプローチに基づく実践成果が多く観察され、日本におけるナラティヴ研究の質的傾向が明らかとなった。 この結果に対し、特に商用ナラティヴの現状としては、ソーシャルイノベーションに伴うソーシャルメディア(SM)の多様化、およびそれに伴う広告のあり方の多様化との連関性が指摘される。すなわち、商品・サービスの利用体験と評価から成る商用ナラティヴもまた、webを通じ公開される「口コミ」「お客様の声」など多様化する実態があり、かつ、商品・サービス提供者側の企業・団体の多くは、これら消費者からの体験談をビッグデータとして集積することが一般化している。しかしながら、その目的は、あくまで商品・サービスの向上にある。一方、このような商用ナラティヴをコーパスとしたディスコース分析を個人の研究者が行うには、往々にして「著作権に関する問題」「データ収集にかかる時間的負担」がハードルとして存在する。(商用)ナラティヴの量的研究が幅広く行われるためには、これらの課題を払拭するための方法論と、研究理念の体系的な構築が喫緊の課題である。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..64.201502.107
ER -
大谷鉄平. (2015). The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study. Journal of Japanese Culture, 64, 107-127.
大谷鉄平. 2015, "The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study", Journal of Japanese Culture, no.64, pp.107-127. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平 "The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study" Journal of Japanese Culture 64 pp.107-127 (2015) : 107.
大谷鉄平. The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study. 2015; 64 : 107-127. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平. "The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 107-127.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平. The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study. Journal of Japanese Culture, 64, 107-127. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平. The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study. Journal of Japanese Culture. 2015; 64 107-127. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平. The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study. 2015; 64 : 107-127. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.107
大谷鉄平. "The Present Conditions and Problem of the "Commercial Narrative" Study" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 107-127.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.107