@article{ART001995798},
author={KIM YOUNG and ChanIk Park},
title={The ancient Japanese culture of flavor and aroma},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2015},
number={65},
pages={117-134},
doi={10.21481/jbunka..65.201505.117}
TY - JOUR
AU - KIM YOUNG
AU - ChanIk Park
TI - The ancient Japanese culture of flavor and aroma
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2015
VL - null
IS - 65
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 117
EP - 134
SN - 1226-3605
AB - 本論文では、人間の五感の中でも「嗅覚」に着目し、古代の「女性」と「香り」という視 点から、日本の王朝美の典型を論じた。平安社会においてで生産され固定化された嗅覚の美 意識と、当時の定型化された美意識から生まれた香りの規範性、そしてこれらの「規範的嗅覺 美」から、当代の香り文化の実像を模索してみた。 『今昔物語』において香りは女性の高貴な身分や文学的風流を象徴するときに効果的に使 われた。中国の王妃は、その身分と教養にふさわしい香りを持っていて、遠くからもその香りをか ぐことができるほど神秘的であった。大斎院選子は文学サロンを形成し、女流歌人たちをリード した人物にふさわしい、彼女の文学的才気と風流をさらに引き立てる役割を果たしている。絶世 の美人であった伊勢にも香りが使われるが、和歌の品格と教養を一層高める働きをしている。 そして本院侍従の黒方の香りは女性らしさを浮き彫りにし、男性の性的好奇心を刺激するセク シュアリティ的機能を持っていた。このような女性の香りは男性の心を揺さぶり、平常心を失わせ る役割をはたす。平定文は女性の容姿を正しく把握する前に、その女性の持っている香りに酔っ て、女性の魅力にますます引き寄せられる。また、現代においても官能的な香りを漂わすムスク は香水の原料として使われ、古代にも女性のセクシュアリティを最も端的に表わした香りとして登場 する。顔を扇で隠した状態で全身に広がりつつ漂うムスクの香りは男性を性的に刺激するのに充 分であったろう。 一方、これとは異なり、低い身分の女性と年配の中年女性の描写にも香りが一緒に使われ ている。これは身分と年齢を超越した香りの威力、つまり目に見える視覚的効果よりも「香り」と いう嗅覚機能の重要性を認識したことから始まる。日本の古代人にとって、遠くからも嗅ぐことの できる香りは和歌を詠む音とともに、ほのかに広がる清涼な香りを感じるのに機微であったろう。そ れゆえ、現代人よりもむしろ嗅覚的感覚が発達しており、女性の美しさを評価する際に、現代の ように目に見えるものではなく、鼻で感じる嗅覚的効果の重要性を高く評価していたのかもしれな い。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..65.201505.117
ER -
KIM YOUNG and ChanIk Park. (2015). The ancient Japanese culture of flavor and aroma. Journal of Japanese Culture, 65, 117-134.
KIM YOUNG and ChanIk Park. 2015, "The ancient Japanese culture of flavor and aroma", Journal of Japanese Culture, no.65, pp.117-134. Available from: doi:10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG, ChanIk Park "The ancient Japanese culture of flavor and aroma" Journal of Japanese Culture 65 pp.117-134 (2015) : 117.
KIM YOUNG, ChanIk Park. The ancient Japanese culture of flavor and aroma. 2015; 65 : 117-134. Available from: doi:10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG and ChanIk Park. "The ancient Japanese culture of flavor and aroma" Journal of Japanese Culture no.65(2015) : 117-134.doi: 10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG; ChanIk Park. The ancient Japanese culture of flavor and aroma. Journal of Japanese Culture, 65, 117-134. doi: 10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG; ChanIk Park. The ancient Japanese culture of flavor and aroma. Journal of Japanese Culture. 2015; 65 117-134. doi: 10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG, ChanIk Park. The ancient Japanese culture of flavor and aroma. 2015; 65 : 117-134. Available from: doi:10.21481/jbunka..65.201505.117
KIM YOUNG and ChanIk Park. "The ancient Japanese culture of flavor and aroma" Journal of Japanese Culture no.65(2015) : 117-134.doi: 10.21481/jbunka..65.201505.117