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『源氏物語』朧月夜との再会の場面考 ー平中説話の投影の問題をめぐってー

KIM Soomi 1

1고려대학교

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ABSTRACT

平安時代、平中に関する説話は、『平中物語』『大和物語』『十訓抄』『世継物語』『宇治拾遺物語』『古本説話集』など数多い作品に収録されており、広く流布していたと推定される。『源氏物語』においても、末摘花巻の源氏と若紫が戯れる場面と若菜上巻の源氏と朧月夜との再会場面に、源氏の行動に平中が引き合いに出されている。   従来このような末摘花巻と若菜上巻における平中引用については、多くの注釈が同一の平中説話(墨黒滑稽譚)を下敷にするものとして把握されてきた。しかし、若菜上巻において平中が女との関わりの中で涙を流すというのは、この墨黒滑稽譚のみならず、本院侍従樋洗筥譚にも出てくる設定である。とすると、この若菜上巻における平中の話を、墨黒滑稽譚と同一ものと限定せず、より若菜上巻に近い内容を探って検討する必要があるのではなかろうか。   まず本院侍従樋洗筥譚が収録されている『今昔物語集』「巻第三十平定文仮借本院侍従語第一」、『宇治拾遺物語』巻第三「十八平貞文、本院侍従の事」、『世継物語』巻第九百五十一の本文を取り上げ、若菜上巻の当該部分の比較検討してみた。その結果、本院侍従樋洗筥譚と若菜上巻の再会場面は、普通思いをかけていた女性の所に接近した男が、その女性が男の侵入を防御するため施錠した隔て具<『今昔』と『世継』は障子、『宇治』は遣戸>の前で自分を拒絶したことに気づき、落胆して涙を流すという、同一の展開を見せており、今まで若菜上巻の下敷として指摘されてきた平中墨黒滑稽譚より、より若菜上巻の当該場面の設定と源氏の心境に近いということが明らかになったと言える。  この本院侍従樋洗筥譚は『源氏物語』以前半世紀ほどの間に既に好色滑稽譚として発足していたであろうと推測されており、『源氏物語』の製作当時存在していた本院侍従樋洗筥譚が、若菜上巻の当該場面の下敷として用いられる可能性は充分あり得ることであろう。  本稿は、若菜上巻の源氏と朧月夜との逢瀬の場面に投影されている平中説話のことに焦点を当てて、今まで指摘してこなかった他の平中説話(本院侍従樋洗筥譚)との影響関係を明きらかにし、その挿話が『源氏物語』の中でどうのような位置づけにあり、意味を持っているのかを考察してみたものである

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