本研究は日本の兵庫県尼崎市に位置する老人福祉施設である園田苑(特別養護老人ホーム)を通じて、園田苑が施設の社会化のために地域社会及び地域住民たちと、どの位密接な関連性を持って位置付けしているか、を模索した論文である. そのために、園田苑の設立背景と理念, 現在実施している事業内容などを考察して見た。
研究調査結果、園田苑では地域社会の住民たちのために、施設を完全に開放し、地域住民たちも施設を地域社会の資源として認識して園田苑を中心に地域共同体精神が涵養されて、とても活発な交流が成り立っていることが明らかになった. このようなことが可能になった要因としては、法人の設立理念と, 設立以前からの地域住民たちに絶えず、広報活動を続けてしながら地域住民たちの参加を誘導した結果である.結局、福祉施設運営は地域の力によって成り立って、地域住民たちが共同運営の荷物を背負っていることが明らかになった. このようないくつかの点は、これから我が国の福祉施設運営において、施設の社会化がなぜ必要なのかについて、多くの示唆点を与えてくれたと思われる。