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『春の雪』に現れる2 26事件 -「恋愛小説」に潜む政治事件-

金子真樹 1

1又松大学校

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ABSTRACT

三島由紀夫の『春の雪』については、作者が自ら語るような「たわやめぶり」の小説としてのイメージが定着し、王朝風の美しい恋愛小説として解釈されるのが一般的である。しかし恋愛小説は恋愛小説でも、かなり異質な作風になっている部分があり、本稿ではその異質さを「禁忌」「恋闕の情」というキーワードを手掛かりに解明を試みた。そして『春の雪』の小説中に表れるいくつかの不思議な描写や、クライマックスで主人公清顕が聡子に面会を拒否されて死んでいく過程を追うことによって、この作品と、三島の精神世界に大きな影響を落としている天皇制や2・26事件との関連性を指摘し、その意味について考察を試みた。『春の雪』を精読すると<2・26事件三部作>や『奔馬』の影に隠れて従来はあまり論ずることのなされなかったが、この作品にも2・26事件の陰影が淡いトーンながらもはっきりと映し出されていること認められる。

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