@article{ART001747801},
author={OH Eunyoung},
title={金石範文における「におい」},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2013},
number={56},
pages={239-254},
doi={10.21481/jbunka..56.201302.239}
TY - JOUR
AU - OH Eunyoung
TI - 金石範文における「におい」
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2013
VL - null
IS - 56
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 239
EP - 254
SN - 1226-3605
AB - 在日朝鮮人文は、「朝鮮的なもの」と共に身的な感の表現が多いことから日本文壇で注目されていると思われる。身的な感の表現が多いのは、身は日本に居り、心は朝鮮にあるという思いがそのような表現を生み出したのである。これは、身に染みんだ日本と朝鮮を分離せんばかりの、まるでとの間で身悶えている文であるとも言えよう。本稿では、身的感の表現の中でも「におい」が大いに用いられている金石範の作品を中心に考察してみた。在日朝鮮人文には身的感の表現が多用されている。特に、李良枝の作品は金石範の作品と似通っているところがあるが、その表現方法は異なる。李良枝の作品では、「彼女」が抱える問題が身的な表現を通してその苦痛を訴えるのにし、金石範の作品では、主に女性の「におい」を通して主人公の「男性」自身の主を確立しようとする意識を表わす置として表われているのである。すなわち、金石範の作品では男性が女性の存在を「におい」によって感じとる、という構造をとっている。金石範の作品には女性自身の精神的な苦痛はあまり描かれない。女性を性的に常に受動的な存在に仕立て上げようとし、あたかも〈〉なき肉のように表現され、物化され、だからこそい「女」として恣意的に念化されているのである。男性主人公の女性への眼差しは、儒的な考え方に基づく男性の支配的イデオロギ、男性優位主義をベスとして表われるものだと言えよう。また金石範の作品の「におい」の表現は、4 3事件とわるものに多く表されている。主人公は「におい」に執着しているものの、主人公の「朝鮮」にする思いは、主に女性の「におい」を原点として朝鮮にする思いがみ上がるのである。主人公にとっての「におい」は、「朝鮮」を連想させるものとして、また「朝鮮」へと導く衝動の源として重要な役割を果たしている。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..56.201302.239
ER -
OH Eunyoung. (2013). 金石範文における「におい」. Journal of Japanese Culture, 56, 239-254.
OH Eunyoung. 2013, "金石範文における「におい」", Journal of Japanese Culture, no.56, pp.239-254. Available from: doi:10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung "金石範文における「におい」" Journal of Japanese Culture 56 pp.239-254 (2013) : 239.
OH Eunyoung. 金石範文における「におい」. 2013; 56 : 239-254. Available from: doi:10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung. "金石範文における「におい」" Journal of Japanese Culture no.56(2013) : 239-254.doi: 10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung. 金石範文における「におい」. Journal of Japanese Culture, 56, 239-254. doi: 10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung. 金石範文における「におい」. Journal of Japanese Culture. 2013; 56 239-254. doi: 10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung. 金石範文における「におい」. 2013; 56 : 239-254. Available from: doi:10.21481/jbunka..56.201302.239
OH Eunyoung. "金石範文における「におい」" Journal of Japanese Culture no.56(2013) : 239-254.doi: 10.21481/jbunka..56.201302.239