@article{ART001909102},
author={KIM Soomi},
title={A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2014},
number={62},
pages={39-54},
doi={10.21481/jbunka..62.201408.39}
TY - JOUR
AU - KIM Soomi
TI - A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2014
VL - null
IS - 62
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 39
EP - 54
SN - 1226-3605
AB - 『国宝源氏物語絵巻』詞書の改変には、物語本文と詞書の内容が変らない単純な省略があれば、物語原作と内容をかえるため、詞書が意図的改変を行う場合がある。すなわち、同じ詞書の改変でも、いろいろと事情が異なり、その性格をどのように判断するかによってその絵の画面の解釈が変わるのである。本稿では、そのような問題点をもとにして「横笛」段と「夕霧」段を考察対象として、物語本文、詞書、絵の相関関係を考察し、絵(特に「夕霧」段の画像)に対する新たな解釈を試みてみた。 まず、「横笛」段と「夕霧」段を検討した結果、両段共に「燈台」のことが、物語本文には存在するものの、詞書には省略されていた。しかし、「横笛」段は単純な省略である反面、「夕霧」段の場合、従来の研究とは異り、絵の時間を「昼」と設定するためことさら削除した意図的改変であることを確認した。さらに「夕霧」段における雲居雁と夕霧の服装も物語本文や詞書にはその記述が見えない。従って、本稿では、絵に描かれた人物の服装の描写を、画家が絵の画面を描く際想定したもので、画家の意図が反映されたものとして検討した。特に、先行研究にあまり論究されてこなかった夕霧の服装は、くつろいだ直衣の姿でありながら、「冠」という格式を整える矛盾した服装になっていることに気づいた。そのような夕霧の「冠」姿は、<皇女との結婚>という内容を意識した画家の解釈が介入した痕跡ではないかと想われる。さらに、この絵の画面の中心になるべき「手紙」も<皇女の結婚>と関わる内容であり、それに合わせて格式を整えるため、物語本文とは異なる華麗な外装として描かれていたのである。 従来この絵の場面の主題は、柏木と女三宮の事件という重いテーマを扱う他の場面に比べて、夕霧の家庭内に起きた夫婦喧嘩、笑話的なものとして評価されてきた。しかし、本稿で考察したように、この絵の画面は、単に家庭内の騒動を描くものではなく、朱雀院の皇女落葉宮の婚姻の話とも絡んでいるのである。絵巻はそのような二つのテーマを表現するため、ことさら詞書の改変を行い、絵の画面を構成したのではなかろうか。「夕霧」段の画面に見られる「昼」という時間設定、夕霧の矛盾した服装、手紙の外装の変更など、物語本文と異なる要素は、家庭内夫婦喧嘩という主題に、<皇女の結婚>という異なるテーマを表現するためではないかと思われる。以上のように、『国宝源氏物語絵巻』のような物語絵を正確に把握するためには、物語本文、絵の詞書、絵の画像という三者を考察するのが、基礎的で、必須不可欠な作業になると思われる。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..62.201408.39
ER -
KIM Soomi. (2014). A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter. Journal of Japanese Culture, 62, 39-54.
KIM Soomi. 2014, "A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter", Journal of Japanese Culture, no.62, pp.39-54. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi "A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter" Journal of Japanese Culture 62 pp.39-54 (2014) : 39.
KIM Soomi. A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter. 2014; 62 : 39-54. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi. "A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter" Journal of Japanese Culture no.62(2014) : 39-54.doi: 10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi. A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter. Journal of Japanese Culture, 62, 39-54. doi: 10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi. A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter. Journal of Japanese Culture. 2014; 62 39-54. doi: 10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi. A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter. 2014; 62 : 39-54. Available from: doi:10.21481/jbunka..62.201408.39
KIM Soomi. "A study on Kotobagaki and painting of the Illustrated Handscroll of The Tale of Genji : Focusing on interpretation of the "yugiri"Chapter" Journal of Japanese Culture no.62(2014) : 39-54.doi: 10.21481/jbunka..62.201408.39