@article{ART001965350},
author={横山秀子},
title={"koujin" Theory On salvation of Ichiro},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2015},
number={64},
pages={307-322},
doi={10.21481/jbunka..64.201502.307}
TY - JOUR
AU - 横山秀子
TI - "koujin" Theory On salvation of Ichiro
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2015
VL - null
IS - 64
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 307
EP - 322
SN - 1226-3605
AB - 夏目漱石の後期三部作である『行人』は救いという観点からは最も掛け離れた作品である といえるくらいに主人公一郎の精神状態は危うい。一郎は「腹」のなかが見えない凡てのもの が信じられない。しかし彼は信じられない自分が信じられる自分になりたいと随所に救いの手を差 し伸べているのである。本稿では「腹」というキーワードをもとに一郎の救いの道を探求してみ た。 まず「友達」に書かれている「腹」がわからずに苦悩した三人の女と貞の結婚について分 析した。この三人の女の苦悩はこれから語ろうとする一郎の苦悩が誰もが陥るジェネラルなもので あることを示しているし、その結婚は中味の解らない慣習にとらわれた結婚であることを示してい る。次に「腹」を分かち合うことができない一郎夫婦はお互いが愛嬌のない似た者同士である がゆえにお互い意識し合いながらもその「腹」のなかを理解する術を知らずに苦悩するのであ る。 そのような一郎夫婦にとっての子供の存在について考えてみた。漱石の作品にはその殆んどが 子供が登場しない、親類からも孤立した夫婦だけの生活を描いている。それにも関わらず『行 人』だけが大家族に娘までもいる構成になっている。漱石の作品を見てみると子供はその殆んど が罪を自覚させる存在として描かれている。そして漱石の作品のほとんどが主に男女の三角関 係を描いているなかで『行人』は夫と妻と娘という血縁で結ばれた最小単位の家族という三角 関係を描いているのである。本稿では一郎の救いはここにあるのではないかと仮説をたててみ た。一郎にとって夫と妻と子という関係こそが彼を幸福に導くものであり、そこに一郎と一郎夫婦 の救いの可能性があるのではないかと考えられるのである。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..64.201502.307
ER -
横山秀子. (2015). "koujin" Theory On salvation of Ichiro. Journal of Japanese Culture, 64, 307-322.
横山秀子. 2015, ""koujin" Theory On salvation of Ichiro", Journal of Japanese Culture, no.64, pp.307-322. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子 ""koujin" Theory On salvation of Ichiro" Journal of Japanese Culture 64 pp.307-322 (2015) : 307.
横山秀子. "koujin" Theory On salvation of Ichiro. 2015; 64 : 307-322. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子. ""koujin" Theory On salvation of Ichiro" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 307-322.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子. "koujin" Theory On salvation of Ichiro. Journal of Japanese Culture, 64, 307-322. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子. "koujin" Theory On salvation of Ichiro. Journal of Japanese Culture. 2015; 64 307-322. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子. "koujin" Theory On salvation of Ichiro. 2015; 64 : 307-322. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.307
横山秀子. ""koujin" Theory On salvation of Ichiro" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 307-322.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.307