@article{ART001965355},
author={LEE HYE-IN and Yun Hye Young},
title={A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2015},
number={64},
pages={323-342},
doi={10.21481/jbunka..64.201502.323}
TY - JOUR
AU - LEE HYE-IN
AU - Yun Hye Young
TI - A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2015
VL - null
IS - 64
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 323
EP - 342
SN - 1226-3605
AB - 本研究の目的は、村上春樹の『ノルウェイの森』で登場する自ら「死」を選択した人物を 中心に彼らが経験した「喪失」の究明、特にキズキの内面意識の考察にある。 以前の春樹の作品では死の様子が短編的でその経過及び影響が省略されているが、『ノ ルウェイの森』では死が周りの人たちの生に与える影響がより深く描かれており、またその死は全 般的に自我によって自ら選択したものであり、その人物の間にはいくつかの共通點がみえる。自 意的に死を選択した人物は自閉的な傾向を持っている。そして、自分の自閉的傾向を改善す るため外部世界に立ち向かって闘おうとするが、結局自分の限界を感じ挫折する様子が窺え る。その代表的な人物ががキズキである。 彼は直子と一つの閉鎖的な世界を共有するが、二人だけの断絶された世界で成長したあまり に、彼は成長段階で経験すべきの刺激、支払うべきの代価を払わずに成長してしまう。その結 果、彼の自我は外部世界の刺激を我慢するにはあまりにも弱い存在として成長してしまう。そして 成長するにつれ、自分たちの断絶された世界を維持するのが不可能であることを認識し、ワタ ナベという友人を介して外部との疎通をはかるが、やはり外部とのコミュニケーションに未熟な姿を 見せる。すなわち、キズキは本物の自我とは異なる外部の自我を作り出し、その二つの自我の 間で乖離を感じるのである。 また、自分に課せられた責任感と重圧感から挫折を感じたキズキは自分のもとの世界に回帰し ようとするが、自分の弱さを満たしてくれた直子の不在により世界の崩壊を経験する。結局、キ ズキは本来の状態に回帰することも外部の世界に進むことも出来ずに、自分の居場所を喪失し てしまうのである。 世の中には外部の刺激から自分の身を守ることができず、自分の弱い自我を保護するため 自分だけの世界に閉じ込もってしまう人間がいる。また外部の世界から受ける刺激に限界を感じ た人間は他人に助けを求めることもできず、責任感と刺激から抜け出すため極端的な選択をす る場合もある。この傾向は現代社会の問題である「ひきこもり」と「自殺」現象の一部だといえ るだろう。『ノルウェイの森』には人間であれば誰もが持っているその人間の弱さが極端的に現 れている作品であると言えよう。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..64.201502.323
ER -
LEE HYE-IN and Yun Hye Young. (2015). A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -. Journal of Japanese Culture, 64, 323-342.
LEE HYE-IN and Yun Hye Young. 2015, "A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -", Journal of Japanese Culture, no.64, pp.323-342. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN, Yun Hye Young "A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -" Journal of Japanese Culture 64 pp.323-342 (2015) : 323.
LEE HYE-IN, Yun Hye Young. A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -. 2015; 64 : 323-342. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN and Yun Hye Young. "A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 323-342.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN; Yun Hye Young. A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -. Journal of Japanese Culture, 64, 323-342. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN; Yun Hye Young. A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -. Journal of Japanese Culture. 2015; 64 323-342. doi: 10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN, Yun Hye Young. A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -. 2015; 64 : 323-342. Available from: doi:10.21481/jbunka..64.201502.323
LEE HYE-IN and Yun Hye Young. "A Study on 『Norwegian wood』 - Focusing On the Loss of the Dead through Gizuki -" Journal of Japanese Culture no.64(2015) : 323-342.doi: 10.21481/jbunka..64.201502.323