TY - JOUR AU - Kim Yongui TI - 韓日「棄老説話」の比較研究 JO - 日本硏究 PY - 2008 VL - null IS - 25 PB - The Center for Japanese Studies SP - 311 EP - 332 SN - 1229-6309 AB - 本稿は、韓国と日本に伝わる「棄老説話」についての比較研究である。韓国と日本に伝わる「棄老説話」は、親に対する孝行を強調する話であるという共通点が見られる。親に対する孝行を強調する話であるという性格においては、もともとこの説話の根源地である印度の説話、また中国の説話においてもほとんどかわらない。しかし、両国に伝わる「棄老説話」をいくつかの類型に分けて厳密に比較してみると、両国の話の間には、明確に分けられる特徴が確認される。本稿では、比較分析によって、およそ三つの特徴を明らかにした。
一つ目は、韓国の「棄老説話」の場合、どの類型の話にしても、親に対する孝行を強調する話として語られていることである。この点は、韓国の「棄老説話」に一貫している。これに比べて、日本の話の場合は、親に対する孝行を強調する一方、老人の知恵のはたらきで難問が解決されるという、いわゆる「難題型」のほうに強い関心がそそがれている。日本の「棄老説話」のほうに、もっと豊富に難題のモチーフが語られているのはこういう理由からであろう。
もう一つの特徴は、韓国の「棄老説話」には、いわゆる「老婆致富型」がほとんど見られないことである。韓国の説話には、姑と嫁の葛藤についての話が多く伝わっているにもかかわらず、姑と嫁の葛藤は「棄老説話」のモチーフとして語られなかった。その理由としては、「棄老説話」があまりにも「残忍な」話であったため、姑と嫁の葛藤のモチーフに結びつくことが許されなかったと考えられる。
三つめの特徴は、「棄老説話」の類型によって、話に登場する家族関係が決っていることである。この特徴は、両国の話に共通している。例えば「チゲ(もっこ)型」の場合、父親と息子が登場する話が多く見られる。また「枝折り型」の場合は、決まって母親と息子が登場する。この点については、「説話における家族関係」という視点からもっと深めていきたい。 KW - DO - UR - ER -
Kim Yongui. (2008). 韓日「棄老説話」の比較研究 . 日本硏究, 25, 311-332.
Kim Yongui. 2008, "韓日「棄老説話」の比較研究 ", 日本硏究, no.25, pp.311-332.
Kim Yongui "韓日「棄老説話」の比較研究 " 日本硏究 25 pp.311-332 (2008) : 311.
Kim Yongui. 韓日「棄老説話」の比較研究 . 2008; 25 : 311-332.
Kim Yongui. "韓日「棄老説話」の比較研究 " 日本硏究 no.25(2008) : 311-332.
Kim Yongui. 韓日「棄老説話」の比較研究 . 日本硏究, 25, 311-332.
Kim Yongui. 韓日「棄老説話」の比較研究 . 日本硏究. 2008; 25 311-332.
Kim Yongui. 韓日「棄老説話」の比較研究 . 2008; 25 : 311-332.
Kim Yongui. "韓日「棄老説話」の比較研究 " 日本硏究 no.25(2008) : 311-332.