TY - JOUR AU - ParkJeonYull TI - 「落語」における笑いの展開方式 JO - 日本硏究 PY - 2008 VL - null IS - 25 PB - The Center for Japanese Studies SP - 333 EP - 352 SN - 1229-6309 AB - 話芸の一種である落語は、近世以来庶民の支持を得て作品や演出様式が確立されて、演者の系譜も拡大され、庶民自身の生活や庶民の目で見る武士の生活を素材にして身近な事件や日常的な話題を取り上げることで大衆的で親しいやすい芸能に発展した。
耳で聞き目で演技を見ながらその内容を想像し、笑いを醸し出す落語の歴史は笑いの方式の洗練化と演目蓄積の歴史であると言えよう。落語が説話や物語あるいは口誦文芸と区別する理由の一つがオチという特別な演出方式を持つという点である。特に作品の結末部に置かれるオチは反転の妙味に観客の反応が集中する大事な構成要素である。オチは作品ごとに多様な方式で展開されるので特定な基準を設定しない限り大変分類しにくいが、反転の方式や、締めくくる方式を基準にする分類も可能である。
一方、日本の落語は「お笑い産業」として現代文化産業の重要な領域を占めている。興行産業あるいはエンターテイメント産業の中で落語が占める割合や、マスコミに編成される落語プログラムの比重が他の古典芸能に比べて非常に高い。これは伝統文化をベースにし現代人の感情や日常生活が反映される落語に対する関心の現れであろう。
日本人の笑いの重要な方式である落語は、歴史的に幾多の笑いのトピック(topic)を蓄積しながらこれを土台(data-base)に日本的な話題、あるいは人間本性に迫る話題を多様に組み合わせ、見立て、あるいは変形するなどの方式で発展させたことに話芸としての特徴があると言えよう。 KW - DO - UR - ER -