@article{ART000929670}, author={김현정}, title={夕顔·葵の上·一條御息所·紫の上の死期についての一考察}, journal={Journal of Japanese Culture}, issn={1226-3605}, year={2004}, number={20}, pages={89-102}
TY - JOUR AU - 김현정 TI - 夕顔·葵の上·一條御息所·紫の上の死期についての一考察 JO - Journal of Japanese Culture PY - 2004 VL - null IS - 20 PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak) SP - 89 EP - 102 SN - 1226-3605 AB - 源氏物語の正編の中で亡くなったとされる人物は、全部で二十四人いる。その中で、死に物の怪が直接關わっているのは夕顔․葵の上․一條御息所․紫の上の四人である。興味深いことに、夕顔は八月十六日、葵の上は八月十四日頃、一條御息所は八月下旬頃、紫の上は八月十四日にそれぞれ死を迎えている。このように、二十四人の死者の中でも死の最も大きな原因が物の怪となっている人物だけが、八月十五日を中心とした中旬あるいは下旬に亡くなっているということは注目に値する。これは、明らかに作者が意圖的にこのような構想をしたということを示している。
作者がこのような構成をしたのは八月十五日に祖靈が訪れる、またはその日は靈魂を迎える日という民間信仰が基になっている。平安時代にも八月十五日に靈魂が訪れるという信仰があったのであり、作者はそのような民間信仰をふまえているのである。夕顔の急死事件の原話と思われるのが、三代實錄の鬼の話である。これは、鬼が現われて女を食って消えたという話であるが、このような話は當時一般的に知られていたもので、紫式部も當然知っていたと思われる。三代實錄の鬼の話は夕顔の物の怪の話の基にもなっているが、その時期が八月十七日であることは注目すべきである。このような說話を踏まえた上で、紫式部は夕顔の死んだ日を八月十六日に決めて、さらに夕顔の後に物の怪によって死を向かえる女達の死期に劇的な効果を狙って一連の共通點を與えたのだと思われる。
また、源氏物語の數多い女主人公の中でも夕顔와 葵の上、紫の上は大變重要で印象深い登場人物達である。この女主人公達の死をより劇的に表現するため、作者は當時の人なら誰でも知っていたかぐや姬の話を連想させる効果を狙っている。
夕顔や葵の上․紫の上․一條御息所はいずれも、年を取って自然に死を迎えたのではなく、「物の怪」という非自然的な力によって「あの世に連れて行かれた」のである。かぐや姬が、月から來た迎えによって月に連れ戾されたのと同じように、女主人公達は「物の怪」によって物語の世界から消されている。この場合、夕顔や葵の上․紫の上․一條御息所に取り憑いた「物の怪」は、かぐや姬の「月から來た迎え」と同じ役割を果たしているのである。 KW - DO - UR - ER -
김현정. (2004). 夕顔·葵の上·一條御息所·紫の上の死期についての一考察. Journal of Japanese Culture, 20, 89-102.
김현정. 2004, "夕顔·葵の上·一條御息所·紫の上の死期についての一考察", Journal of Japanese Culture, no.20, pp.89-102.
김현정 "夕顔·葵の上·一條御息所·紫の上の死期についての一考察" Journal of Japanese Culture 20 pp.89-102 (2004) : 89.