@article{ART000929671},
author={이미숙},
title={平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2004},
number={20},
pages={103-124}
TY - JOUR
AU - 이미숙
TI - 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2004
VL - null
IS - 20
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 103
EP - 124
SN - 1226-3605
AB - 堤中納言物語に收錄されている十篇の短篇物語のうち、「花櫻折る少將」は源氏物語を始めとしてその他伊勢物語落窪物語などの先行する作品との關わりが多く指摘されている物語である。「花櫻折る少將」に關する先行硏究を檢討してみると、主にこの物語を構成する話型、すなわち「姬君掠奪譚」「をこ譚」をもってその受容關係を指摘する論が多いように思われる。しかし、「花櫻折る少將」には、これらの指摘の他に、「昔物語」の傳統に基づく、男女の戀の一形態、典型的な一つのパターンを讀み取ることができると思われる。
そこで、本稿では、「花櫻折る少將」以前の作品(または同時代と推定される作品)における「荒れたる宿」の用いられ方を檢討し、それがこの物語にどのように受容されているのかについて確認した後、それらの先行する作品と辯別されるこの物語の新しさを、「荒れたる宿」に咲き亂れた「花櫻」に着目して考えてみた。
考察の結果、「荒れたる宿の姬君に戀する通りがかりの男君の物語」というパターンは、現存する物語の中では大和物語一七三段、平中物語三十六段、宇津保物語「俊蔭」卷などにおいて形を整え、源氏物語作者の手によって「昔物語」の設定であるという認識のもとで意識的に取り入れられ完成された、物語における戀の一形態であることが分かった。しかし、このことが「花櫻折る少將」が先行する作品の模倣ということにはならないと思う。なぜなら、先行する作品の「荒れたる~」の場面における季節と植物などの情景描寫を見ると、「荒れたる宿」に「櫻」という組み合わせは一例もないからである。つまり、この物語は「荒れたる宿」に咲き亂れた「櫻」を通して、些細ながらも先行する作品との差別化を圖っているのである。
結局、先行する作品においては「荒れたる宿」のイメージとのずれによって「荒れたる宿」の姬君と通りかかる男君との出逢いの場面において重要な景物として用いられなかった「櫻」が、「花櫻折る少將」においては宿の寂しさを强調する風景の描寫と矛盾しつつも物語の中心題材として用いられるようになったのは、結末の反轉をより强烈に讀み手に印象づけるための効果裝置の機能を持っていたからだと思われる。つまり、妖艶で華麗な「櫻」のイメージに重ね合わせられ作られていた「姬君」のイメージと現實に手に入れた「祖母上」との落差によって讀み手の意表を突く手法が、この物語の「櫻」には託されていると思われる。この點こそ、先行する作品と一線を畵する「花櫻折る少將」の試みであり到達點であったと思われる。
KW -
DO -
UR -
ER -
이미숙. (2004). 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―. Journal of Japanese Culture, 20, 103-124.
이미숙. 2004, "平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―", Journal of Japanese Culture, no.20, pp.103-124.
이미숙 "平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―" Journal of Japanese Culture 20 pp.103-124 (2004) : 103.
이미숙. 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―. 2004; 20 : 103-124.
이미숙. "平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―" Journal of Japanese Culture no.20(2004) : 103-124.
이미숙. 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―. Journal of Japanese Culture, 20, 103-124.
이미숙. 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―. Journal of Japanese Culture. 2004; 20 103-124.
이미숙. 平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―. 2004; 20 : 103-124.
이미숙. "平安文學における「荒れたる宿」考― 「堤中納言物語」「花櫻折る少將」を起點として ―" Journal of Japanese Culture no.20(2004) : 103-124.