@article{ART001135276}, author={陳愛華}, title={中島敦『蕨竹老人』と『巡査の居る風景』考察 ― 二編の關連性を中心に}, journal={Journal of Japanese Culture}, issn={1226-3605}, year={2004}, number={20}, pages={195-210}
TY - JOUR AU - 陳愛華 TI - 中島敦『蕨竹老人』と『巡査の居る風景』考察 ― 二編の關連性を中心に JO - Journal of Japanese Culture PY - 2004 VL - null IS - 20 PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak) SP - 195 EP - 210 SN - 1226-3605 AB - 蕨․竹․老人と巡査の居る風景―一九二三年の一つのスケッチ―とが、短編二つという總題のもとで一括りにして發表されたにもかかわらず、これまで二編の關連性に注目した論考はない。本稿では二編を中島敦が当時の所謂「帝國日本」を「外地」と「內地」の兩方から捉えようとした野心作として位置づけ、その關連性の考察を通して初期の中島敦像の描出を試みた。
主に時代背景、作品內部における問題提起、作品外部から眺めた際の構図という三つの側面から二編の關連性について考察した結果、日本の<近代>という軸の下で、植民地問題のみならず、「內地」における近代化の問題も含めて積極的に思考し續けた初期の中島の姿を捉えることができた。具体的にいえば、この時期の中島は植民地の現實を暴くと同時に、伝統喪失と膨張主義をもたらした日本の近代化を批判し、<中心>に抵抗する姿勢を示している。そして、周緣化されることが逆に<中心志向>を强め、抵抗の力をなくしてしまうことの危險性を、彼は作品を通して指摘している。その<中心>に抵抗する姿勢は、<南方>への憧憬を抱きながらも、それを自ら抑制するというところでも貫かれたのである。後年の姿勢の変化を視野に入れれば、二編から見られたこれらの点は、作家中島が步んだ精神的な軌跡を描出する上で重要な意味を持つと考えられる。 KW - DO - UR - ER -
陳愛華. (2004). 中島敦『蕨竹老人』と『巡査の居る風景』考察 ― 二編の關連性を中心に. Journal of Japanese Culture, 20, 195-210.
陳愛華. 2004, "中島敦『蕨竹老人』と『巡査の居る風景』考察 ― 二編の關連性を中心に", Journal of Japanese Culture, no.20, pp.195-210.
陳愛華 "中島敦『蕨竹老人』と『巡査の居る風景』考察 ― 二編の關連性を中心に" Journal of Japanese Culture 20 pp.195-210 (2004) : 195.