@article{ART001533857},
author={Han Sun Hee and IIHOSHI KAZUYA},
title={「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-},
journal={Journal of Japanese Culture},
issn={1226-3605},
year={2011},
number={48},
pages={59-78},
doi={10.21481/jbunka..48.201102.59}
TY - JOUR
AU - Han Sun Hee
AU - IIHOSHI KAZUYA
TI - 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-
JO - Journal of Japanese Culture
PY - 2011
VL - null
IS - 48
PB - The Japanese Culture Association Of Korea (Jcak)
SP - 59
EP - 78
SN - 1226-3605
AB - 「(し)そうだ」と「ようだ」は特に推測、予測といった意味範疇において類似した意味を成す。両語は韓国語では同じ形式で訳されることがあるため、韓国人日本語学習者や韓国人日本語教師にとっては学習したり指導したりする際に困難を伴うことが予想される。しかしながら、これまでの先行研究には「(し)そうだ」と「ようだ」に焦点を当てたものが少ない。このことから現状の「(し)そうだ」「ようだ」に関する考察は学習者や教師の要求に満足に応えられていない可能性がある。それゆえ本稿は両語の違いについて、韓国人学習者や韓国人日本語教師に資することを目標として考察した。 類似した複数の形式を学習するときには、目に見える形で違いを認識させることが有用な方法の一つである。そこで本稿は「(し)そうだ」と「ようだ」の意味の違いよりも、統語上の制約の違いを主に注目して考察することにした。前接語と意味との関係に関する形態論・統語論的な考察が豊富な「(し)そうだ」を中心に据え、「そうだ」の韓国語訳も対照しながら「ようだ」との違いを考察した結果、次のことが分かった。 1.「そうだ」の様態を表す用法は、味覚を表す感覚形容詞に接続した場合には「ようだ」に置き換え変えられない傾向が顕著である。これを生かせば効率的に学習が進むと思われる。韓国語の形式から見た場合、「味覚形容詞+そうだ」を「겠다」で訳したものが「ようだ」に置き換えられないという顕著な傾向があり、「듯하다」で訳されたものは「ようだ」に置き換えうるという傾向がある。これも両語の学習の手がかりになりうるだろう 2.「そうだ」の予測と推測の用法については、「ようだ」は現実世界の事態を観察するという性質があるため、仮想世界での予測・推測や、根拠が乏しい話者の勘と言えるような予測・推測は表せない。これが条件表現の後に「ようだ」が来られないという統語上の制約を生んでいる。これは「そうだ」との違いを学習するうえで非常に分かりやすい一つの指標となる。また「ようだ」には話者自身の意志的な行為の予測には使えないという制約があるため、主語が一人称である場合の「そうだ」と「ようだ」の振る舞いの違いも両語を学習するうえで助けになるだろう。韓国語の形式から見た場合、「そうだ」が「겠다」や「듯하다」「듯싶다」で訳された場合が学習の手がかりになりうると思われる。 3.「そうだ」の寸前の用法は「ようだ」にはないものであり、「そういうことが今にも起こる様子」がはっきり分かる例文を使って指導すれば混同は起きないものと思われる。「뻔했다」という訳語が当てられる特徴があるので、これを手がかりにすることもできるだろう。 4.非実は「ようだ」にも存在する用法であり、「そうだ」との混同が懸念されるが、寸前で学習した「そういうことが今にも起きる様子」が「そうだ」の非実にはあり、「ようだ」の非実にはないことを適切な例文を使って示せばと良いと思われる。「겠다」で訳される用例は「ようだ」に置き換え不可の傾向があるので、これが学習の手がかりになりうる。
KW -
DO - 10.21481/jbunka..48.201102.59
ER -
Han Sun Hee and IIHOSHI KAZUYA. (2011). 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-. Journal of Japanese Culture, 48, 59-78.
Han Sun Hee and IIHOSHI KAZUYA. 2011, "「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-", Journal of Japanese Culture, no.48, pp.59-78. Available from: doi:10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee, IIHOSHI KAZUYA "「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-" Journal of Japanese Culture 48 pp.59-78 (2011) : 59.
Han Sun Hee, IIHOSHI KAZUYA. 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-. 2011; 48 : 59-78. Available from: doi:10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee and IIHOSHI KAZUYA. "「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-" Journal of Japanese Culture no.48(2011) : 59-78.doi: 10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee; IIHOSHI KAZUYA. 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-. Journal of Japanese Culture, 48, 59-78. doi: 10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee; IIHOSHI KAZUYA. 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-. Journal of Japanese Culture. 2011; 48 59-78. doi: 10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee, IIHOSHI KAZUYA. 「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-. 2011; 48 : 59-78. Available from: doi:10.21481/jbunka..48.201102.59
Han Sun Hee and IIHOSHI KAZUYA. "「(し)そうだ」と「ようだ」の用法に関する考察 -韓国人学習者への指導の手がかりを目指して-" Journal of Japanese Culture no.48(2011) : 59-78.doi: 10.21481/jbunka..48.201102.59