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〈치료탑〉이라는 예계(豫戒) -오에 겐자부로 『치료탑』・『치료탑 혹성』론-

InSun Song 1

1연세대학교

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ABSTRACT

大江健三郎が一九九〇年代に書いた二つの小説『治療塔』と『治療塔惑星』は、SF 的想像力が展開する〈近未来小説〉として知られている。この論文では、最後まで解けない謎として残る〈治療塔〉の多義的で象徴的な意味を追究するとともに、未来の地球と人類の姿を通して作者が科学テクノロジーに基づく現代文明を如何なる観点から捉え批評しているのかを検討した。そして『治療塔』と『治療塔惑星』の執筆中に可視化する冷戦の終息と湾岸戦争の勃発が、二つの小説の中では人類の過去と現在、未来を自由な想像力で行き来しながら寓意的なメッセージとして描かれており、結局それは、変動する世界秩序の中で形を変えて新たに頭をもたげる植民主義への作者の警戒にほかならないことをも確認できた。原爆ドームは、もしかしたら地球上に最初に建造された〈治療塔〉だったのかもしれない、という朔(男の主人公)の呟きから分かるように、〈治療塔〉連作は、人類と地球の本当の再生はわれわれの省察に拠るものであるという大江の緊急のメッセージを伝える小説である。過去の教訓を踏まえた上で魂の治癒を図り、支配差別暴力の世界観の廃棄を可能にするわれわれの省察は、とりもなおさず、個々の生命が平等に自らの尊厳を取り戻し再び再生のサイクルの中に置かれることを願って、各自考え方と生き方を根本から建て直すことを意味する。要するに、大江健三郎の〈治療塔〉連作は、現代人の転覆した価値観やそれに伴う具体的な生活様式が‘明日’の生存を封鎖しないように、歪んでいる‘今日’の総体的な治癒を促す作者の予戒として書かれた小説である。

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