TY - JOUR AU - Nameun Kim TI - 福沢諭吉のアジア認識 -朝鮮認識を中心に- JO - 日本硏究 PY - 2009 VL - null IS - 27 PB - The Center for Japanese Studies SP - 243 EP - 259 SN - 1229-6309 AB - 本稿は、19世紀後半東アジアが新たな国際秩序へと編入されていく、その「転換
期」において、日本の国内の改革を主導した福沢諭吉のアジア認識、とりわけ朝鮮
認識について検討するものである。その際、福沢にとって「近代的国際秩序とはい
かなるものであったか」、また彼はこれらに対応して「いかなる新しい国際秩序を構
築すべきだと考えたか」という二つの側面に注目している。福沢の日本近代への過
程は、西洋列強のアジア侵略に対する強い危機意識から出発しており、当時の弱肉
強食の国際関係を「脱亜」の論理をもって克服しようとした。しかし「脱亜入欧」とい
う日本近代への過程は、日本を含まない東洋を他者として設定することで自己と差
異化するものであり、特に福沢の「脱亜論」に内在されている日本を盟主とし、アジ
アを防衛的に再構成するという戦略はまさに朝鮮に対する日本の侵略を表明するも
のであった。福沢の「亜細亜東方の悪友を謝絶する」という立場には東アジア三国の
さまざま意味合いが含まれている。福沢は表面的には「脱亜」という論理を打ち出し
ているが、それが意味するところは「日本の朝鮮進出」であり、また彼はそれを日本
民族の優越感をもって正当化しようとした。これらは、福沢にとっては自国が直面
していた「近代」という時代的課題において選ばざるを得なかった選択だったのであ
ろうが、しかし彼らのアジア政略による朝鮮進出は、結局のところ近代におけるそ
の後の日韓関係のあり方を決定付ける一つの所以であったといえよう。 KW - 후쿠자와 유키치(Yukichi Fukuzawa);아시아 인식(Recognizing Asia);
탈아(Shedding Asia);문명개화(Cultural Enlightenment) DO - UR - ER -