本硏究は韓國と日本の農村地域の社会的資本を視野に入れ、その違いや変容を見出すのである。社会的資本とは非常に新しい概念であるが,その存在は古くから我らの社会に埋め込まれ, 人々の様々な行為に影響を及ぼした。伝統的に言えば兩國の社会的資本は農業生産や農村生活に基づいて現された. 特に、これは共同体や村などの閉じこまれた社会に見られいろいろな問題の解決や相互扶助を呼び起こしてきた。もちろん村の自治組織やさまざまな住民組織によって成りうる紐帶を通じて強められる。
産業社会の渡来や進行にともない、最近、小子化や高齢化が進み、農村地域の労働力の構造が変わりつつある。昔の農村地域の姿は消えてしまったげれど、まだ農村地域の特徴は残っている。
韓国の場合,伝統的に親戚関係がまだ強く残ってそれがひとつの社会関係に結ばれ、その血縁に基づきながら社会的行為を行うし、互いの共同協力に役立つ。それ以外には親しい関係に基づく仲間同士の労働力のやり取りも重要な社会的資本の一つである。これは主として女性の畑労働に用いられると知られているが、実は稲植えや虫、草かりなどの作業にも利用される。最近は農機械や農薬の普及あるいは新しい農作の展開によって組織される作目班の登場によって新しい社会的資本が創られている。